【短】溶けた氷はただの水に変わるけど…
この気持ちが彼に伝わってしまったら、きっと彼は私と距離を置くだろう。

「そういうのは、面倒くさい」と言って。

「今はそういうのは考えられない」と言って。


なんでそう思うのか…というと。


少し前に本人に聞いてしまったのだ。
それは抑え切れない好奇心の下で…。


「なんで、きんじょーは彼女作んないの?」と。


その質問に彼は一瞬驚いた顔をしてから、ふいっと視線を逸して、私にこう答えたんだ。

「声、掛けてくる人はいるけど…なんか面倒なんだ。そういうの」

と、少しムッツリとして。

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