With You
「っていうか、全然可愛くないですって!おばさんの方が凄く綺麗じゃないですか!」



彼のお母さんらしい人に私の存在を懐かしいと思われてる不思議さはどこかに飛んでいき、さっき言われた『可愛い』につい反応してしまった。


それに、私はまともに可愛いなんて言われたことないし。
そこらへんの普通の女子校生なのに。


「そう!?すっごい可愛いじゃない。羨ましいわあ。…あら、もうこんな時間だわ。それじゃあここじゃなんだし、早くリビングにいらっしゃい」

お邪魔しますと言って、おばさんに笑顔でリビングまで案内された。


ガチャ−…


入ると、リビングにはおばあちゃんや親を含むたくさんの人の視線が私達に刺さった。

「こ…こんばんわ…」
とっさに出たぎこちない挨拶に、優しく答えてくれた。そして、親戚の人や近所の人と挨拶したりその夜は大きなテーブルを囲んでたくさんの思い出話に花が咲いた。
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