With You
でも一つ!私は分からない｡
比呂と言う奴とが私とどんな関係にあるかは。
聞き出そうと企んではいるものの、大人達の会話にホイホイ混ざられてしまう。
あいつもあいつで彼の弟と遊んでたり。



でも、このままじゃ納得いくわけ無い。
勝手に名前呼ばれて、家まで連行と来たら…。
本当に私の何を知ってると言うのだろう。
ここの田舎に来たのは小さい頃以来だし、その時に誰かと仲良く遊んだ覚えも無い。

…なんか腹立ってきた。
意識もないのに彼を睨んでしまう。


私は手に持っていたジュースを乱暴にテーブルに置いて、彼に近づいた。

｢ちょっと話あるんだけど｣

彼の前に近づき、目を細めて言うと、突然の事にビックリしたらしく、目を見開き分かったよと彼は言い、裏庭の縁側に行こうと誘ってきた。





夏も田舎の夜は冷えるらしく昼と違って肌寒い。私達はリビングから歩いてすぐの縁側に来ていた。並んで腰掛けるが、お互いの体温を感じるほど体は近くにいなかった。

ふと横を見ると、少し寂しそうな横顔が見える。何を思ったか、彼は突然と口を開いた。
< 11 / 39 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop