With You
「だったらこっちきなよ!!今さ、ユキちゃん帰っちゃって暇なんだ。君も1人でしょー?遊ぼーよ!」





満足げに僕に言った後、こっちと言っていた砂場を指差しながら優しく笑みをみせた。





なんなんだこの女の子は…。
ユキちゃんなんて知らないけど、取りあえずは僕と遊びたいらしい。
でも、知らない子と仲良くはいはいと遊ぶ勇気があるなら、とっくに近所の子と遊んでるよ…。



「あ、あのさ!僕…用事ある…か……ら…ごめん」



小さな声で呟くようにあるわけもない用事を言った。




「…それホント?
…嘘だっ。いくがイヤなんでしょ?」

眉毛を八の字に潜めて聞いてくる。


この頃から、いくちゃんは俺の事は小さな事でも、なんでも見透かしていたよね。
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