With You
「そっか。じゃあ、あたし帰る…ね」



「え…あ!うん…バイバイ」



気付けば良かったんだ。様子がおかしい事も。



なにもかも…



「…ひろくんっ!!…またね!バイバイっ!」



…何故泣きながら彼女がこんな事言ったかなんてその頃分からなくて、



「またね。バイバイっ!」


と公園を後にした。



郁奈はずんずんと自分から離れていく比呂を涙でくしゃくしゃになった顔で見つめることしかできないかった。
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