With You
それからしばらくのいざこざが続いたのは言うまでもなく――…



「あっ!なんか校舎見えた」



「うん。学校あれだよ」



前の学校とは全然違う…ちょっと古いけど、温かみがあるって感じ。



「町で唯一の学校だからさ、クラスも少なくてみんな小学校から同じだから仲いいんだ」



「そうなんだ。うらやましい。…友達、出来るといいな」

無性に感じる温かみは学校そのものが滲み出ている感じ。

「みんないいヤツだから大丈夫だって」

彼はニコニコして言う。

前の学校はグループごとでで仲良かったから、なかなか全員仲がいいと言える環境じゃなかった。
それに、俗に言うイジメってやつも隣のクラスとかちらほら起きてた気がする。
だから、その新しい学校にあたしが入ったら軽蔑されそうな感じして心配だった。
――…でも、今比呂の言葉を聞いてちょっとは楽になったかも…。
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