With You
何故だか目の前の彼を考えてたら嬉しい気分になる。
本当に昨日会ったばかりと感じさせない。
あの頃と同じ純粋で無邪気な彼はそのまま何も変わってはいない気がする。
前をスタスタ歩く大きな体を見て微笑む。


しばらく考えていると、少しずつ聞こえてくるある音。


近づくにつれて、確かに聞こえるそれは音楽室だ。



「わあー…」

足を早め、彼を抜いて音楽室の前に行く。

ゆっくり目を閉じて音に集中してみる。
分かる。
この一つになる瞬間。
みんなで創り出す音。


懐かしい―…
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