With You
私はしばらくの間、昔を思い出して1人で遊具を楽しんだ。


公園は何も変わってはいなかった。
ちょっと錆かけのブランコやずっと昔からあるらしい古びた滑り台。
今時どう?なんて思うが野良猫がフラフラと公園を遮った。だから、かまってやろうと思うとあっさりと相手にすらしてもらえなかった。


そうこうしているうちに、辺りはすっかり夕暮れだ。

「うわ!何気にこんな時間も居たんだ…暗くなっちゃった。帰らないとな」


よしっ!帰るか!とベンチから立ち上がった瞬間…



ギュッ!!


「…!?うわっ!」



突然誰かに腕を掴まれ反射的に転けそうになった。


「ちょっと!!…一体何す…」
と振り向くと

「いくちゃん!?いくちゃんでしょ!?」


反抗する前に聞こえたローボイスな声。
見ると見慣れない制服を着た男の子だった。
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