背中に、羽を。
「どうしてそんなに……僕のことを考えてくれるの?」
あまりにも悲しそうな、悔しそうな顔をするから……訊きたくなって、さっきの態度とは一変させ、たずねてみる。
「どれだけ仕事を成功させたかによって、たとえば……お給料とか!
変わってくるんじゃないの?」
はやく僕が死んで、はやく僕の行くべき道へつれていき、はやく次に死ぬひとのところへ行った方が、いいのではないか。
僕は、天使にとっても、手間のかかる面倒なやつなのではないか。
「そりゃあ、変わるよ。
だけど、まずは君がいい思いをしてくれなきゃ困る。
最初から絶望した状態で死んだら、僕はいやなんだ。それは、悲しいから」