turning

地下駐車場に行き、車の鍵を開ける。

「社有車ですからお気になさらずどうぞ」

「いやそれって逆に乗りづらいんだけど……後部座席の方がいいのかな」

「目的地付近になったら道案内してもらわなくては困るので助手席へお願いします」

「はい」

おとなしく助手席へ乗り込んだ上条君を見て、私も運転席へ座る。

慣れない車でシートベルトをしようとかがんだ上条君の頭が、ナビを操作していた私の腕に触れそうになり、つい身体ごと思いっきり引いてしまった。

「あ、ごめん。もしかして警戒してる？」

「自分がしたこと覚えてるでしょう」

「…………はい」