貴方の事が大好きでした
でも、私は分かっていた。

もってあと、3日後位だと…。

自分の体の事は、自分がよく知っている。

息切れも増え、歩くのも難しくなり、体が弱

っていくのを実感したからだ。

「まだ、もう少し……。このノートが埋まる

まで……。」

そして、ノートは残り1ページになった。

私は歌詞を書いている途中に拓人が病室に訪

れた。

「よ!寝てなきゃ駄目じゃん。」

「だ…大丈夫だ…よ!もうすぐで、書き終わ

るから!」

私は、苦しさをこらえながら笑顔で笑った。

シャーペンを震わせながらも、必死に歌詞を

書き続けた。

でも最後は、何の歌詞を書きたいかもう決ま

っていた。

だから、迷うことなく、手を止めずゆっくり

と歌詞を書き続ける事ができた。

「拓人。」

「どうした?」

「……、私は此処にいるからね。」
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