SHALIMAR -愛の殿堂-



フった?フられた?


悲しい?―――寂しい……ですか…?


聞きたいことはいっぱいあったけれど、




「……元旦っスか。おめでたいのに、おめでたくないって言うか…」




俺は全然的外れな、それでいて自分でも配慮に欠けると分かるような言葉を返していた。


『ちっともおめでたくないよ』


と流石の彼女も怒り出すかと思いきや、





「おめでたいわ。せいせいしたって感じ。“お別れ記念日”ってのが元旦って分かりやすくていいよね。



あ、私からフったの。十年間付き合ってた不甲斐ないあいつとね」





彼女は俺の見たことのない妖艶で色っぽい笑みを浮かべ、




「キミは?彼女、居るの?」




と聞いてきた。








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