SHALIMAR -愛の殿堂-


「でさ~……あいつらゴミ被害の話ばっかしてんの。それが当の本人たち大真面目だから、ウケるよね~」


と、俺は先日タケと由紀恵さんとの食事会の会話を面白おかしく話し聞かせていたが、サキちゃんの表情がほんの少し強張ったのが分かった。


あれ?俺、何かマズいこと言ったかな……それこそスイーツを前にゴミの話を出した俺がいけないのか。


なんて考えていたが


「吉住くん、さっきからその親友の彼のことばっか喋るよね」


なんて意外な言葉が返ってきた。


「え…?まぁ。半分俺があの二人をくっつけたようなもんだし」


「いいよ、そんな言い訳みたいなこと言わなくても」


サキちゃんはスプーンを置いて俯いた。


は?言い訳?


「あたしそうゆうの偏見もってないし」


は?偏見?


「好きなんでしょう!彼のこと」


思い切って聞かれて


は!?『彼』って…


誰……


……って考えてみりゃタケのことだよな。あいつの話しかしてねーし。


てかそれがいけなかったのか!?


「や!!違うっ!!」


全・否・定


それも目一杯。


けれど何を勘違っているのか、サキちゃんは


「大丈夫、誰にも言わないから。でもあたし……吉住くんのカモフラージュの彼女にはなれない」


「いや……カモフラージュも何も、俺の大本命…」と必死に言うも


「ごめんなさい。それにあたしの好きな人も……


吉住くんと仲良くしてるレジのあのおにーさん」


仲良くしてる?あのおにーさん??


って誰……ってさっきと同じじゃねぇーか!!


俺がレジで親しくしてる男って言えばタケしか居ない!!


ぇえ!!サキちゃんがタケを!?



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