人間消去アプリ
「私もそう思うって……?」


「私も、嫌なことしてきたやつには絶対に復讐しないと気が済まないんだ」


復讐……。


最初にそう言ったのは私だけど、今考えたら寒気がする。


だって、【人間消去アプリ】を使って復讐するということは、嫌なことをしてきた人たちを次々に殺していくってことでしょ?


円歌は、自分に嫌なことをしてきた人たちを【人間消去アプリ】で殺したのかな。


もしそうだったら怖い。


唇が小刻みに震えるのを感じたそのとき、授業開始のチャイムが鳴った。


「やばっ、早く行こっ!」


円歌が私の腕を引っ張って走る。


すずねもうしろからついてくる。


私の腕を引っ張る円歌の表情は、なぜか明るかった。
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