人間消去アプリ
落としてやるんだ。


そう決意したと同時に、円歌が眉をハの字にして背中をさすってくれた。


あったかい。


制服越しで背中をさする円歌の手のぬくもりを感じる。


「理央、つらかったんだね。


それほど、その同級生の子が憎いんだ……」


発言がシチュエーションと合っていないことを除けば、完全に心は癒されたことだろう。


だが、私と円歌が考えているシナリオは、最悪なものだ。


自分を傷つけた者を、復讐として傷つけ返す。


負の連鎖が生まれるきっかけになるかもしれないが、自分の感情をコントロールさせるには、こうするしかない。
< 120 / 334 >

この作品をシェア

pagetop