人間消去アプリ

もう、些細なことで傷つきたくない。


もう二度と痛い目に遭いたくない。


そんな気持ちが、私の心を支配していく。


きっと、円歌も私と同じだろう。


口には出さないが、心の中ではつぶやく。


「……理央、やり返そう。


いつまでもやられっぱなしじゃダメだよ」


円歌の言うとおりだ。


いつまでもやられてたら、自分が弱者になりかねない。


「……うん、そうだね」


円歌からゆっくりと離れ、スマホを取りだした。


ホーム画面に表示された【人間消去アプリ】のアイコンをタップする。


すると、画面にこんな文字が現れた。