人間消去アプリ
ごろごろと玉のように転げ落ちている。


その様子を見るだけで、笑ってしまいたくなる。


私をバカにしてきたののかが、階段を踏みはずして転げ落ちる。


それは、私をバカにしたばつだ。


もし、ののかが中学時代に私をバカにしなかったら、階段から転げ落ちることはなかっただろう。


こうなること、ののか本人は予想していなかったよね。


私は予想していたよ。


だって、私が【人間消去アプリ】にののかの名前を入れて、死ぬようにしたから。


「ふふふ……」


口角を上げて笑った直後、ののかの体がピタッと止まった。


全身血だらけで、マヌケな顔をしている。
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