人間消去アプリ

☆☆☆

階段から落ちたののかが死んだという話は、学校中に広まった。


近くの女子校に通っている生徒が死んだだけで、噂はすぐに広まる。


しかも、その目撃者は私であることも広まった。


嫌でも、全校生徒の噂の的になった。


昼休み、すずねと円歌と沙織と弁当を食べようとすると、クラスの女子数人に話しかけられた。


「ねぇ、理央」


「なに?」


「理央、近くの女子校の生徒が死んだところを見たって本当⁉︎」


「あー……うん、まぁ……」


「すごーい!


人が死ぬ瞬間を見ちゃうなんて!」


べつに、すごくもなんともない。


そんなことで褒められても嬉しくない。
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