人間消去アプリ
黙々と食べている私に、すずねが心配そうな顔でこちらを見た。


「理央、大丈夫だった?」


「なにが?」


「近くの女子校に通ってた子の死ぬ瞬間を見ちゃったなんて。


気持ち悪くならなかった?」


ののかが死んだ瞬間が気持ち悪かったって?


気持ち悪かったかと聞かれたら気持ち悪かったけど、それよりも爽快感のほうが勝っている。


私は、ののかが死んでくれたことにスッキリしているんだ。


「そりゃあ気持ち悪かったけど、あんなの友達が死ぬときよりマシだよ」


「そう……」


心配そうな顔を崩そうとしないすずね。


どこまで心配性なんだろう。
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