人間消去アプリ
心の中で呆れながらそうつぶやく。


眉をハの字にして、こちらに顔を向けているすずねを無視して、再び食べはじめる。


今日の昼ご飯は、学校の購買で買った、焼きそばパン。


購買の焼きそばパンは、焼きそばのソースがとにかく濃い。


個人的にはちょっと薄いほうが好きだけど、買った以上文句は言えない。


ペットボトルのお茶を飲みながら、焼きそばパンのことを考えていると、誰かに声をかけられた。


「ねぇ、理央ちゃん」


沙織だ。


沙織が話しかけるの、いつ以来だろう。


「なに?」


「……昼ご飯食べ終わったあと、話したいことがあるの」


「うん、わかった」
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