人間消去アプリ
それに反応できず、沙織に腕を引っ張られる。


教室を出てからわずか数分で、保健室に着いた。


保健室のドアを開けるが、保健室の先生の姿は見あたらない。


「先生、いないかぁ……」


「ねぇ沙織、本当に大丈夫だってば。


午後の授業はちゃんと出れるよ」


心配はかけられない。


ましてや、友達に。


友達だから、迷惑をかけてはいけない。


「でも理央ちゃん、口を手でおさえたとき、顔が真っ青になってたよ」


嘘。


自分の顔が真っ青になっていたなんて、気づかなかった。


それでも、沙織に言葉を返す。


「い、今は大丈夫だよ。


口をおさえてたときほど、顔色悪くないでしょ」
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