人間消去アプリ
消え入りそうな声でそう言い、上体をゆっくり起こした。


「……本当にそうなの?」


「うん……。


あの子……ののかは中3のとき同じクラスになった子なの。


私、その子に散々バカにされてたんだ」


こんなことを沙織に言ってもいいものだろうかと思ったが、沙織にののかが私の元同級生だと知られた以上は言うしかない。


たとえ、沙織から非難を浴びることになっても。


言うしかなかった。


沙織に嫌われたかもしれないと思っていたのに、沙織が両手をパチンッと合わせて嬉しそうな顔をした。


「そっか!


理央ちゃん、その子が嫌いだったから【人間消去アプリ】にその子の名前を入れたんだ!」
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