人間消去アプリ
沙織が【人間消去アプリ】のユーザーではないとわかった途端、口から安堵の息が漏れた。


「よかった……」


もし沙織が【人間消去アプリ】のユーザーだったら、沙織が怖いって思っちゃうもん。


だが、ここで沙織が私に言葉のナイフを並べた。


「沙織はこんな怖いアプリ使うの嫌だから使ってないけど、クラスメイトでこのアプリを使ってる人もいるよ」


「嘘……」


安堵から一転、恐怖に包まれた。


【人間消去アプリ】を使ってる人は、全員憎い人間がいるってこと?


誰だってひとりくらいは憎い人間がいるとは聞く。
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