人間消去アプリ
もちろん、これも嘘だ。


すべては、沙織に嫌われないようにするため。


「絶対、ねぇ……」


ボソッとつぶやき、目をそらす沙織。


なにか考えるようなポーズをしている。


ちょっとだけ私のことを疑っているのか。


でも、沙織なら信じてくれるだろう。


だって、沙織は私の友達だから。


案の定、沙織はニコッと微笑み、私に手を小さく振った。


「偶然ならいいや。


それじゃあ理央ちゃん、ゆっくり休んでてね」


そう言って、沙織が保健室から出ていく。


沙織は私の友達だ。


でも、沙織だけには言えないことがある。


【人間消去アプリ】を使い続けようと思っていることを……。
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