人間消去アプリ
取り憑く欲望
ののかの死から数日が経過した。
近くの女子校の生徒が死んだという話は、地元だけでなく、全国的に広まった。
ののかは、死んだことで知名度が上がった。
だが、死んでから知名度が上がるのでは、意味がない。
死んだ人間は、もう二度とこの世によみがえることができないんだから。
そう思いながら、小さく笑う。
今は3限の授業の途中で、クラスメイト全員が授業担当の先生の話を聞いている。
先生に気づかれないように、スカートのポケットからスマホを取りだす。
そして、迷うことなく【人間消去アプリ】を開いた。
次は、誰を消去してやろうか……。