人間消去アプリ
……沙織?


すずねじゃなくて沙織?


本当に沙織なのかたしかめないと気が済まなくなり、玄関に向かう。


玄関にいたのは、本当に沙織だった。


「おはよ〜、理央ちゃん」


「お、おはよう……」


笑顔で片手を振る沙織に少し驚きながらも、挨拶を返す。


「な、なんで私の家に来たの?」


「今日は理央ちゃんと学校に行きたい気分なの」


これまた笑顔で言葉を返してくる。


この前まで私と話すことを避けていたとは、全然思えない。


……沙織、朝から私のところに来た本当の目的はいったいなんなの?


すずねだけでなく、沙織まで疑ってしまう。
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