人間消去アプリ
って、ダメじゃん、私!


すずねだけじゃなくて、沙織まで疑うなんて。


沙織は優しくて、心の底から信頼できる友達なんだから。


ブンブンと左右に首を振り、疑う気持ちを追い払った。


「ごめん、沙織。


私、まだ朝ご飯食べてないんだ」


「そっか。


じゃあ、理央ちゃんが朝ご飯食べ終わるまで待っててあげる」


やっぱり、沙織は優しいな。


「ありがとう」


笑顔で返したあと、慌てて冷蔵庫があるところまで駆け寄る。


冷蔵庫の中に、朝ご飯として食べられるものは、お母さんが切ってくれた桃くらい。


はぁ、仕方ないな。


桃しかないから、桃食べるか。
< 190 / 334 >

この作品をシェア

pagetop