人間消去アプリ
「り、理央、あんたまさか、私を疑ってるの?」


そのまさかよ。


疑わないわけがないじゃない。


あんたがわかりやすい嘘をつくから。


「疑ってるに決まってるじゃない。


私に黙ってること、全部言ってよ」


円歌の胸ぐらから手を離し、円歌を再び椅子に座らせ、自分も椅子に座る。


だが、座ってから数十秒がたっても、円歌が口を開く気配がない。


沈黙を守るつもり?


そんなの、私のプライドが許さないよ。


すぐに立ちあがり、再び円歌の胸ぐらを掴もうとしたとき、ガラッと教室のドアが開いた。


教室のドアを開けたクラスの女子が、円歌に声をかけた。
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