人間消去アプリ
円歌を殺すくらいなら、私の目の前で死んでもらわないと。


目の前で死んでくれないとスッキリしない。


そう思い、円歌のスマホを寝間着のポケットに入れた。


残っていたハンバーグを食べはじめ、無言をつらぬいた。


味のしなかったはずのハンバーグが、口の中で楽しく踊っている。


円歌をリアルで殺そうと決意したからなのか。


たぶんそうだろう。


ハンバーグを食べ終え、食器を洗う。


「……ふふっ」


笑いが止まらなくなる。


だって、円歌が死ぬ瞬間を想像するだけで気分がよくなるんだもん。


ねぇ、円歌。


私、円歌をリアルで殺すから、覚悟しててね。


心の中でそうつぶやきながら、私は笑い続けた。
< 224 / 334 >

この作品をシェア

pagetop