人間消去アプリ
円歌が利用している駅は、とっくにリサーチ済みである。


階段を上りきり、円歌が来るのを待つ。


しかし、数分たっても、円歌がやってくる気配がない。


イライラがつのり、うしろにあるベンチに勢いよく腰かけた。


円歌は、いつになったら来るんだろう。


こんなにイライラするんだったら、円歌が駅を利用する時間帯も調べておけばよかった。


「ちっ」


小さく舌打ちをする。


今日は運がいいのか悪いのかわからない。


ため息をつきそうになったそのとき。


誰かが階段を上りきり、こちらにやってきた。


その人物は、近づくにつれて私の視界にはっきり映った。
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