人間消去アプリ
勢いよく立ちあがり、目を見開いた。


視界に映った人物は、私と同じ朔間高校の女子の制服を着ている。


円歌かと思ったが、違った。


顔と髪型で、沙織だとすぐにわかった。


なんだ、沙織か。


小さくため息をついて、ベンチに座る。


沙織が来ても、油断してはいけない。


ベンチに座っているのが私だと沙織にバレたら、めんどくさいことになる。


なぜ私がここにいるのかと聞かれる可能性がきわめて高い。


ヘタしたら、沙織に【人間消去アプリ】を使っているとバレるかもしれない。


沙織に気づかれないように、顔を下に向ける。


絶対にバレたくない。
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