人間消去アプリ
「ふーん……。


じゃあ、スマホはどこにもなかったんだね」


「うん。


学校の校舎内をすみずみまで探して、先生全員に聞いたんだけど……」


「スマホは見つからなかったんだね」


「うん……」


スマホが見つからない?


円歌のスマホはちゃんとあるよ。


私の家の中にね。


私が、円歌のスマホをちゃんと預かってるよ。


円歌の顔をチラッと見て、鼻を鳴らす。


視線を再び下に向けた直後、沙織が突然、こんなことを言いだした。


「スマホがなくなったこと、理央ちゃんには伝えたの?」


ドキッ。


無意識に心臓が大きく跳ねた。


私がいるとバレたわけじゃないのに。
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