人間消去アプリ
まぁ、いいか。


沙織に、私をフォローすることを言ってくれたことは、とりあえず感謝しよう。


だからといって、円歌のことを完全に許したわけではない。


円歌が、私のターゲットになっていることに変わりはない。


円歌の顔をじっと見つめる。


「はぁ……っ、はぁ……っ」


まだ呼吸を整え終えていない円歌。


よほど急いで階段を上っていたのか。


そんなこと、私には関係ない。


今、私がすべきことは、円歌を殺すこと。


それ以外に目的なんてない。


と、突然、円歌が私の座っているベンチに座り込んだ。


やっとで呼吸を整え終えたらしく、落ち着いた顔をしている。
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