人間消去アプリ
変えるといっても、べつに観たい番組があるわけではないので、適当にボタンを押す。


さっきとは違う映像に切り替わったのを見て、胸を撫でおろす。


よかった。


今の番組が、円歌の死のニュースについて触れていなくて。


これなら退屈しないで済む。


心の中でそうつぶやいて、スープをひと口飲んだそのとき。


ピーンポーン。


玄関からインターホンが聞こえてきて、びくっと体を震わせる。


な、なに?


私、まだ昼ご飯食べてる最中なんだけど。


若干イライラしながらも、カップラーメンと箸をテーブルに置き、玄関に向かう。


「……はーい」
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