人間消去アプリ
沙織と顔を合わせるのは数週間ぶり。


肉体的にも精神的にも追い込んだと思ったのに、沙織の表情は明るい。


いじめ方が甘かったのか……?


心の中で軽く舌打ちをする。


と、突然、沙織がこんな言葉を口にした。


「理央ちゃん、約束どおり、来てくれたんだね!


沙織、安心したよ!」


「は……?」


約束?


私、沙織と今夜会う約束してたっけ?


した覚えがまったくないんだけど。


頭上にたくさんの疑問符を浮かべる私をスルーして、沙織がさらに話を続ける。


「今日、約束したよね?


今夜8時30分、朔間高校の近くの歩道橋に来てって、沙織言ったよね」
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