人間消去アプリ
私が心の中でそうつぶやいていると、すずねが私の肩に手を乗せてきた。


「ねぇ、理央も【人間消去アプリ】使おうよ。


円歌がいいアプリって言ってたから、絶対にハマると思うよ!」


まだ【人間消去アプリ】を使っていないのに、まるでもう使ったかのような口調で言うすずね。


だけど、私はあまり気が進まなかった。


アプリ名を聞くだけで嫌な予感がするだけでなく、使ってはいけないと頭の中の警告信号がともるのだ。


「うーん……」


こめかみに大粒の汗が流れるのを感じる。


使ってはいけない。


だけど、すずねは使おうとしている。


円歌はもう使っている。
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