人間消去アプリ
そう思い、心のどこかで安心している私がいた。


「お邪魔しまーす!」


靴を脱ぎ終え、沙織が奥へと続いている廊下を歩いていった。


廊下を歩いている途中、沙織は天井や壁を見て、なぜか羨ましそうな顔をしていた。


私以外の友達の家に行ったことがないのかな。


私は、中学のときにすずねの家に何回か行ったんだけど。


でも、円歌と沙織の家には行ったことがない。


円歌は『うち、めっちゃ汚いから!』と言って、家に入れさせてくれない。


沙織は家に連れていってくれるどころか、家のことを私とすずねと円歌に話さない。
< 46 / 334 >

この作品をシェア

pagetop