人間消去アプリ
家に友達を招待したり、友達に家のことを話さない理由がなにかあるのだろうか。


そう思いながら廊下を歩いていくと、沙織が足をピタッと止めた。


「どうしたの?」


沙織は廊下の真ん中あたりで立ち止まっており、あたりを見まわしている。


いったいなにをしたいんだろう。


「なにかあった?」


「……理央ちゃんの部屋、どこなの?」


こちらに視線を向けて眉をハの字にした沙織の顔が視界に映り、思わず「うっ」と声をあげた。


しまった、部屋の掃除をするの忘れた。


自室に誰かが来るときは、誰かが来るまで掃除をするんだけど……。
< 47 / 334 >

この作品をシェア

pagetop