人間消去アプリ
でも、休日に友達が来るなんて予想していなかったからなぁ……。


なんて思いながら、慌てて階段を上り、自室に向かう。


「ちょっと待っててね。


今、部屋の掃除してくるから!」


沙織のほうを見もせずにそう叫ぶ。


「うん……」


少し気が抜けたような沙織の声が完全に私の耳に届く前に、私は自室に戻った。


そして、数分かけて掃除をする。


掃除機を使って床に落ちた細かいゴミを吸引し、乱れたベッドのシーツを整え、本棚を整理する。


勉強机を雑巾できれいに拭いたあと、自室を出て沙織に声をかける。


「掃除終わったよ!」
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