人間消去アプリ
階段の上った先に立ち、沙織に手招きをする。


「……理央ちゃんの部屋、入っていいの?」


少し驚いた様子で問いかける沙織。


「いいに決まってるじゃん。


私たち、仲のいい友達だもん!」


「理央ちゃん……」


沙織の目がわずかにうるんだような気がした。


嬉しがっているのだろう。


大袈裟だな。


友達だと言っただけで、そんなに嬉しがらなくてもいいのに。


心の中で苦笑いをしながら、沙織がこちらにやってくるのを待つ。


十数秒かけて沙織が私のところに来たところで、部屋のドアを開けた。


「さぁ、どうぞ!


中に入っていいよ!」
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