人間消去アプリ
ハブろうとしていたから、気まずくて話しづらいのかもしれない。


表面上では仲よくしているから、円歌も沙織を少しは信じているのだろう。


「理央、来るの遅かったね。


いつもは早く学校に来るのに」


私のほうに身を乗りだす円歌。


沙織のほうを見ようとしない。


「まぁね。


今日はめずらしく寝坊しちゃったから……」


「こらー、理央は悪い子だーっ」


頭をかいて笑う私に、コツンッと軽く頭を叩いてくるすずね。


たしかに寝坊はよくないよね。


そう思いながら沙織のほうに目を向けてみると、なにやらスマホをいじっているようだ。
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