人間消去アプリ
見せたいもの?


いったいなんだろう。


頭上にクエスチョンマークを浮かべながら、不思議そうに首をかしげる。


しばらくして、沙織が持ってきたバッグからタブレットを取りだした。


「理央ちゃんは使っていないのかもしれないけど……」


ぶつぶつとつぶやく表情には、どこか楽しそうな色が混じっている。


肩が少しだけ跳ねあがるのを感じたあと、沙織がタブレットの画面を私に見せてきた。


「ねぇ、これ見て!


このサイト!」


「どれどれ……」


“このサイト”がいったいなんなのかをたしかめるために、沙織の隣まで近寄る。


視界に映っていたのは、私のスマホにインストールされた【人間消去アプリ】だった。
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