人間消去アプリ
「それで、すずねちゃんに強引に誘われて、インストールしたんだ」


「うん……」


「そっか……」


タブレットの画面をスクロールする手を止めて、私から目をそらす沙織。


その目は少し悲しそうだ。


だが、悲しそうな表情を見せたのは一瞬で、すぐに私に視線を向けた。


「理央ちゃん」


「ん?


なに、どうしたの?」


真剣な眼差しを向けられ、顔が強張る。


まるで、肉食動物に食べられそうになる草食動物のように。


「理央ちゃん、【人間消去アプリ】をインストールしたんだよね?」


「うん」


「そのアプリ、もう使った?」
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