人間消去アプリ
本当にいいアプリなのかどうかをたしかめたい。


その気持ちを言葉にするのに、そう時間はかからなかった。


「……ねぇ、沙織」


「なに、理央ちゃん」


「私……あのアプリ、使ってみる」


そう言うと、沙織がパチパチと拍手した。


その表情はなぜか嬉しそうだ。


「わぁ〜!


理央ちゃん、【人間消去アプリ】使うことにしたんだね!」


どうして嬉しがるんだろう。


沙織は【人間消去アプリ】のユーザーじゃないよね?


そう思ったが、褒められているような気がして言えなかった。


「で、試しに使う相手は決まってるの?」
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