人間消去アプリ
家族の中で、自分に嫌味を言ってくる人がいないなんて、羨ましい。


沙織に少し嫉妬するが、その気持ちを表情や口には出さない。


「【人間消去アプリ】がもしおばあちゃんを消してくれなかったら、使わないようにする」


「……もし、理央ちゃんのおばあちゃんが死んだらどうするの?」


「そのときになったら考えるよ」


おそるおそる質問してくる沙織に対してそう返した。


と、そのとき。


廊下側の一番前の席で、5人の女子グループが、なにか話しているのを見つけた。


なんともない話をしているならスルーするけど、それができなかった。
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