人間消去アプリ
ふたり目
おばあちゃんが死んで一週間。
葬儀が無事に終わり、なにごともない日々を過ごした。
2限の授業がはじまる休み時間、すずねと円歌と話していた。
「理央、大丈夫?
理央のおばあちゃん、事故で死んだんだってね」
「大丈夫なわけがないよ、すずね。
だって、自分のおばあちゃんが死んだんだもん」
私のおばあちゃんが交通事故で死んだという話は、すずねと円歌の耳に届いていた。
でも、おばあちゃんが死んだのは私が【人間消去アプリ】を使ったせいかもしれないということは知らないようだ。
まぁ、それはそうか。
事故に遭って死ぬなんて、現実でもあるし。