来世もきっと、私は貴方に恋をする。

しばらく吟味し続け
私は漆が艶やかで綺麗な簪にした

「よし、付けてやる。後ろ向け」

「うっ、うん!」

沖田さんは慣れない手つきで
簪を付けようとしている
なんだか首元がくすぐったい

「夏は髪が綺麗だな。
この色の簪がよく似合ってる」

「あっ、うん!ありがとう」

髪の毛に沖田さんの指が通る度
私の胸の鼓動が早くなる
もうキスまでしちゃってるのに
こんなことでもなんだか照れる

「前向いてみ」

私が振り向くと沖田さんは
少し驚いたような顔をした
< 60 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop