BLACK TRAP ~あの月に誓った日~
Ⅴ 甘い罠と彼の秘密
*
たぶん美愛は、今も小野寺理希とデート中。
そんな妹を心配した咲都は、自分が迎えに行くと言い、私達とは別々で帰ることになった。
美愛の恋、上手くいくと良いな。
桜花と伯王は敵対しているから、難しいのかもしれないけれど。
大通りで信号待ちをしていたら、藤川が何気なくこちらを振り返る。
私の顔を冷たく見下ろした彼は、何かに気づいたように一瞬目を見開いた。
そういえば、ケイさんにメイクをしてもらったから。
藤川もいつもと違うことに気づいてくれたのかな?
そんな期待をよそに、藤川は無言で目をそらし、私の手首を掴む力を強めた。
信号が青になり、歩き始めてからも、藤川は私の顔を見ない。
少しぐらい、感想を言ってくれてもいいのに。
「ちょっと家に寄って行けよ。……七瀬に話がある」
たぶん美愛は、今も小野寺理希とデート中。
そんな妹を心配した咲都は、自分が迎えに行くと言い、私達とは別々で帰ることになった。
美愛の恋、上手くいくと良いな。
桜花と伯王は敵対しているから、難しいのかもしれないけれど。
大通りで信号待ちをしていたら、藤川が何気なくこちらを振り返る。
私の顔を冷たく見下ろした彼は、何かに気づいたように一瞬目を見開いた。
そういえば、ケイさんにメイクをしてもらったから。
藤川もいつもと違うことに気づいてくれたのかな?
そんな期待をよそに、藤川は無言で目をそらし、私の手首を掴む力を強めた。
信号が青になり、歩き始めてからも、藤川は私の顔を見ない。
少しぐらい、感想を言ってくれてもいいのに。
「ちょっと家に寄って行けよ。……七瀬に話がある」