BLACK TRAP ~あの月に誓った日~
*
放課後になると肌寒くなり、私は薄手のコートを羽織って外を歩いていた。
隣には悠然と歩く藤川。
桜花への道を案内するためだと言って私の手首を引き、それに仕方なく従っている。
そもそも、藤川自身は桜花に何の用事があるのか謎だ。
けれど質問しても、どうせはぐらかされるのが目に見えているのでやめておく。
桜花の校舎の端が見えてきて、もうすぐ彼に会えるかもしれないと思うと、緊張で足取りが逆に重くなってきた。
佐々木海里のことは、私が一方的に知っているだけ。
昨年12月。
友人達に誘われ、椿高校で毎年行われているクリスマスのイルミネーションを見に行ったときに、彼を初めて見かけた。
ちょうどその日、椿高の校庭には他校からたくさんの人達が集まっていて、まるでイベント会場のような雰囲気になっていた。
特に目立っていたのは濃紺のブレザーを着た10人ほどの集団。
その中に、彼はひときわ鋭いオーラを放って佇んでいた。
放課後になると肌寒くなり、私は薄手のコートを羽織って外を歩いていた。
隣には悠然と歩く藤川。
桜花への道を案内するためだと言って私の手首を引き、それに仕方なく従っている。
そもそも、藤川自身は桜花に何の用事があるのか謎だ。
けれど質問しても、どうせはぐらかされるのが目に見えているのでやめておく。
桜花の校舎の端が見えてきて、もうすぐ彼に会えるかもしれないと思うと、緊張で足取りが逆に重くなってきた。
佐々木海里のことは、私が一方的に知っているだけ。
昨年12月。
友人達に誘われ、椿高校で毎年行われているクリスマスのイルミネーションを見に行ったときに、彼を初めて見かけた。
ちょうどその日、椿高の校庭には他校からたくさんの人達が集まっていて、まるでイベント会場のような雰囲気になっていた。
特に目立っていたのは濃紺のブレザーを着た10人ほどの集団。
その中に、彼はひときわ鋭いオーラを放って佇んでいた。