先輩に一目惚れしたんで、サイエンス部に入部します！

河合先輩は急に立ち上がり、何やら実験の準備を始めた。

「見た方が早い」

そう言うと、河合先輩はリトマス紙とBTB溶液を準備した。

「青色リトマス紙を赤色に変え、BTB溶液が黄色に変化するのが酸性。赤色リトマス紙を青色に変え、BTB溶液が青色になるのがアルカリ性だ」

そう言って、河合先輩はリトマス紙に酸性の物質とアルカリ性の物質をつける。色は一瞬で変化した。そしてBTB溶液にも物質を入れる。こちらもすぐに変化した。

「アルカリ性だと、無色のフェノールフタレイン溶液を入れると赤色に変化するんだ。残念ながら今はないけど…」

「でもすごいよ！」

岩井先輩は、目を細める。こんな簡単に実験をするなんて、河合先輩すげぇ！

「電気を通す物質が水に溶けて、陽イオンと陰イオンに分かれることを電離と言うんだ。水に溶かした時に、電流が流れる物質を電解質、電流が流れないものを非電解質と言う」

河合先輩は解説をしながら、実験で見せてくれる。

俺と岩井先輩の口からは、何度も「すごい」が飛び出した。